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傷病手当金は退職後も継続できる?3つの条件と申請の注意点【2026年版】
結論
傷病手当金は、退職日までの被保険者期間が継続1年以上あり、退職日時点で受給中または受給要件を満たしていれば退職後も継続して受け取れます。ただし退職日に出勤すると条件を満たせなくなるため、出社しないことが重要です。
この記事で分かること
- 退職後も傷病手当金を継続できる3つの条件
- 退職日に出勤すると継続給付を受けられなくなる理由
- 支給期間(通算1年6か月)と申請の流れ
傷病手当金とは何か
傷病手当金は、健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入している人が、業務外の病気やケガで働けなくなったときに生活を支えるための給付です。次の4つの条件をすべて満たすと支給されます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 業務外の病気・ケガ | 労災(業務上)ではない療養であること |
| ② 労務不能 | 医師の意見等により仕事に就くことができない状態であること |
| ③ 待期の完成 | 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(最初の3日間は待期期間で無給) |
| ④ 無給であること | 休業した期間について給与の支払いがないこと(給与があっても差額は支給対象) |
支給額は、おおむね直近12か月の平均給与(標準報酬月額)を基に、1日あたり約3分の2相当が目安です。在職中に受給を始めた人が退職を控えている場合、次の「継続給付」の条件を必ず確認してください。
退職後も継続できる3つの条件
退職(資格喪失)後も傷病手当金を受け取るには、次の3つをすべて満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 被保険者期間 | 資格喪失日(退職日の翌日)の前日、つまり退職日までに、継続して1年以上の被保険者期間があること(任意継続・国民健康保険・共済組合の期間は含まない) |
| ② 受給中または受給要件を満たしている | 資格喪失時点で、現に傷病手当金を受けているか、労務不能で受けられる状態であること |
| ③ 退職日に出勤していない | 退職日に出勤すると、その日は労務可能とみなされ、継続給付の条件が崩れる |
このうち③がもっとも見落とされがちです。全国健康保険協会(協会けんぽ)は、退職日に出勤した場合、資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金は支払われないと明示しています。最終出社日として体調が万全でなくても出社してしまうと、退職後の継続給付を受けられなくなるため、退職前に人事・総務へ「最終日は欠勤(または有給)にできないか」を相談しておくことが重要です。
支給期間はいつまでか
傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。退職前にすでに受給していた期間もこの1年6か月に含まれるため、「退職後さらに1年6か月」ではありません。
また、一度仕事に就くことができる状態になった場合、その後再び働けなくなっても、その傷病手当金は支給されません(同じ病気・ケガでの再発でも、いったん「治った」と判断された後の再度の休業は対象外になり得ます)。
退職後の申請方法
継続給付の申請先は、退職前と同じく健康保険の保険者(協会けんぽ・健康保険組合)です。会社を経由せずに、自分で保険者へ直接申請書を提出します。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 加入していた協会けんぽの支部、または健康保険組合 |
| 必要書類 | 傷病手当金支給申請書(療養担当者記入欄・事業主記入欄あり) |
| 事業主記入欄 | 退職後も、退職前の勤務状況・給与について会社に記入を依頼する必要がある |
| 申請単位 | 通常1〜2か月ごとに区切って申請するのが一般的 |
退職後は会社に在籍していないため、事業主記入欄の依頼をスムーズに進められるよう、退職前に総務・人事へ継続給付を利用する意向を伝えておくと手続きが滞りにくくなります。
他の手続きとの関係で注意すること
- 失業保険とは同時に受け取れない:傷病手当金は「働けない」ことが前提、失業保険(基本手当)は「働ける状態で仕事を探している」ことが前提のため、両方を同時に受給することはできません。働けるようになってから失業保険に切り替える場合は、ハローワークで受給期間の延長手続きを忘れないようにしてください
- 健康保険の切り替えとは別の話:退職後の傷病手当金の継続給付は、健康保険の任意継続や国民健康保険への加入とは別の制度です。任意継続に加入しても、条件を満たせば傷病手当金の継続給付は別途受けられます
- 老齢年金を受け取ると調整される:継続給付を受けている間に老齢厚生年金等を受給できるようになった場合、原則として傷病手当金は支給されません(年金額が傷病手当金の額より低いときは差額のみ支給)
まとめと次の一歩
- 退職後も継続できるのは「被保険者期間1年以上」「受給中または受給要件を満たす」「退職日に出勤しない」の3条件をすべて満たす場合
- 支給期間は退職前の受給分も含めて通算1年6か月
- 退職前に会社へ「継続給付を利用する予定」を伝え、退職日の扱いと事業主記入欄への協力を依頼しておく
退職後の手続き全体を漏れなく確認したい人は「退職後にやることチェックリスト」を、体調が回復した後に失業保険へ切り替える流れは「失業保険はいつからもらえる?」をご覧ください。
FAQ
よくある質問
- 退職日に休むだけで継続給付の条件を満たせますか?
- 退職日に出勤しないことは条件の一つですが、それだけでは足りません。退職日までの被保険者期間が継続1年以上あること、退職日時点で労務不能の状態(受給中または受給できる状態)であることも必要です。3つの条件をすべて満たしているか、退職前に保険者へ確認しておくと安心です。
- 会社を辞めた後、傷病手当金の申請書に会社の記入は必要ですか?
- 必要です。事業主記入欄には退職前の勤務状況や給与の記載が必要なため、退職後も会社に依頼して記入してもらう必要があります。退職時に「継続給付を申請する予定がある」と伝えておくと、後日の依頼がスムーズになります。
- 退職後にいったん働ける状態になり、その後また同じ病気で働けなくなった場合は再度受け取れますか?
- 一度労務可能な状態になった後に再度働けなくなった場合、その傷病手当金は原則支給されません。体調に不安がある場合は、労務可能と判断される前に主治医とよく相談してください。
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この記事を書いた人
ハタラキナオシ運営者
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして8年勤務。20代未経験層、介護・保育、建設・物流業界の転職支援を担当。退職・就職・学び直しの実務情報を、公的機関の一次情報にもとづき解説しています。
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