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退職はボーナス(賞与)をもらってから?損しないタイミングの決め方
結論
賞与は法律で支給が義務付けられた賃金ではなく、多くの会社は就業規則で「支給日に在籍する人だけに支給する」という条件を定めています。損をしないためには、就業規則の賞与条項を確認し、退職日を支給日の後に設定することが基本です。
この記事で分かること
- 賞与に「支給日在籍要件」がある理由と、それが認められている根拠
- 退職を伝えるタイミングとボーナス支給日の関係
- 確認すべき就業規則のポイントと、確認できない場合の動き方
賞与は「もらえて当然」の賃金ではない
賞与(ボーナス)は、労働基準法などの法律によって支給が義務付けられている賃金ではありません。厚生労働省が公開している「モデル就業規則」の解説でも、賞与は法律で設けることが義務付けられているものではなく、支給する場合は就業規則に支給対象者・算定期間・支払方法などを明確にしておく必要があるとされています。
つまり、賞与を「いくら」「いつ」「誰に」支給するかは、各社が就業規則で独自に定めるルールです。そのルールの中に、退職予定者にとって重要な条件が含まれていることがあります。
「支給日在籍要件」とは何か
多くの会社の就業規則には、賞与について次のような条文があります。
賞与は、原則として、算定対象期間に在籍した労働者に対し、会社の業績等を勘案して支給日に支給する。
厚生労働省のモデル就業規則の解説部分では、この条文に加えて「就業規則に、賞与の支給対象者を一定の日(例えば支給日)に在籍した者とする規定を設けることで、期間の途中で退職等し、その日に在職しない者には支給しないこととすることも可能」と明記されています。
つまり、次の2つの条件がそろって初めて賞与を受け取れる会社が多いということです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 算定対象期間の在籍 | 賞与の計算対象になる期間(例:4月〜9月)に在籍していたこと |
| 支給日の在籍 | 実際に賞与が支払われる日に、まだ会社に在籍していること |
算定対象期間を満たしていても、支給日の前日に退職してしまうと、支給日在籍要件を満たさず賞与を受け取れない、という会社が少なくありません。
損をしないための確認手順
- 就業規則の「賞与」の条項を確認する:算定対象期間、支給日、支給対象者の条件(在籍要件の有無)を確認します。人事や総務に就業規則の閲覧を依頼すれば確認できます
- 直近の支給日を確認する:夏・冬など年2回が一般的です。求人票や雇用契約書に記載がない場合は、過去の給与明細や同僚への確認が手がかりになります
- 退職日を支給日の後に設定する:民法627条により、期間の定めのない雇用契約は退職の申し入れから2週間で終了します。支給日の翌日以降を退職日にできるよう、逆算していつ退職を伝えるかを決めます
- 引き継ぎ期間も考慮する:支給日ぎりぎりを狙うと引き継ぎが雑になりがちです。「退職の切り出し方とタイミング」を参考に、引き継ぎに必要な期間も確保してください
退職を伝えるタイミングとの関係
退職の意思表示自体は、支給日より前に行っても問題ありません。重要なのは「意思表示のタイミング」ではなく「退職日(在籍終了日)」です。支給日在籍要件がある会社であれば、支給日の翌日以降を退職日に設定すれば、退職を伝える時期が支給日より前であっても賞与を受け取れます。
反対に、退職を伝えるのが遅れて引き継ぎが間に合わなくなると、円満退職から遠ざかる可能性があります。伝えるタイミングと退職日は分けて考え、余裕を持った計画を立てることが大切です。
気をつけたい3つの注意点
- 査定期間中の評価が下がることがある:賞与額は会社の業績や個人の勤務成績を考慮して決まります。退職の意思を早く伝えすぎると、査定期間中の評価に影響する可能性はゼロではありません
- 支給日在籍要件がない会社もある:就業規則に在籍要件の定めがなければ、算定対象期間の在籍分に応じて日割り等で支給される場合もあります。自社の規定を必ず確認してください
- 退職金(退職手当)は別の制度:賞与とは支給条件も計算方法も異なります。退職金の有無や条件も就業規則の別条項(退職金規程)で確認しましょう
まとめと次の一歩
- 賞与は法律上の義務ではなく、就業規則で定める会社独自の制度
- 「算定対象期間の在籍」と「支給日の在籍」の両方を満たす必要がある会社が多い
- 退職日を支給日の後に設定すれば、退職を伝える時期が支給日前でも受け取れることが多い
退職を伝える具体的な進め方は「退職の切り出し方とタイミング」を、退職後の手続きは「退職後にやることチェックリスト」をご覧ください。
FAQ
よくある質問
- 支給日在籍要件は違法ではないのですか?
- 就業規則に明記されていれば、支給日に在籍する者だけに賞与を支給するという条件自体は認められています。厚生労働省のモデル就業規則の解説でも、そうした規定を設けることが可能と説明されています。ただし、会社都合の解雇など労働者の意思によらない退職の場合は扱いが異なることがあるため、不明な点は総合労働相談コーナー等の窓口に相談してください。
- 有給休暇を消化しながら支給日をまたぐことはできますか?
- 有給休暇を取得している間も雇用契約は継続しているため、在籍しているとみなされるのが一般的です。ただし就業規則の定め方によって扱いが異なる場合があるため、有給消化中の在籍要件の扱いも合わせて確認しておくと安心です。
- 退職を伝えたら、支給日前でも賞与が減らされることはありますか?
- 賞与額は会社の業績や個人の勤務成績を考慮して決定されるため、退職の意思表示自体を理由に一方的に減額することは通常想定されていません。ただし査定期間と重なる場合は勤務成績の評価に影響し得るため、気になる場合は人事に確認しましょう。
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この記事を書いた人
ハタラキナオシ運営者
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして8年勤務。20代未経験層、介護・保育、建設・物流業界の転職支援を担当。退職・就職・学び直しの実務情報を、公的機関の一次情報にもとづき解説しています。
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