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退職時の貸与品はどう返す?返却物の一覧と方法・注意点
結論
会社から貸与された物は、退職までに返却するのが原則です。民法593条の使用貸借の考え方にもとづき、返却を拒んで処分すると横領罪(刑法252条・253条)に問われる可能性もあります。返すべき物の一覧と返却方法、紛失時の対応を解説します。
この記事で分かること
- 退職時に返すべき貸与品の一覧
- 返却の方法(直接・郵送)とタイミングの決め方
- 紛失・破損時や受け取ってもらえない時の対応
退職時に返す主な貸与品一覧
| 区分 | 主な貸与品 |
|---|---|
| 身分証明系 | 社員証、入館証、名刺(未使用分) |
| 情報機器 | PC、スマートフォン、タブレット、USBメモリ、社内システムのアカウント情報 |
| 鍵・カード類 | 会社の鍵、ロッカーの鍵、社用車の鍵、駐車場カード、ICカード |
| 作業用品 | 制服、作業着、安全靴、ヘルメット |
| 書類・資料 | マニュアル、顧客資料、社内規程集などの紙・データ資料 |
会社によって貸与品の範囲は異なります。何が貸与品に当たるかは、雇用契約書や就業規則、入社時にサインした貸与品受領書で確認できます。
返却の法的な位置づけ
会社が従業員に物品を貸し出す関係は、民法上の「使用貸借」に近い性質を持ちます。民法593条は、使用貸借について、相手方から受け取った物を「契約が終了したときに返還をする」内容の契約であると定めています。退職によって雇用契約が終了すれば、貸与品を返す約束も履行すべき時期を迎えることになります。
さらに、貸与品を自分の物のように扱って売却したり、返却を拒んで使い続けたりすると、刑法252条(横領罪、5年以下の拘禁刑)や、業務上扱っていた物であれば253条(業務上横領罪、10年以下の拘禁刑)に抵触するおそれがあります。実際には返却の催促や損害賠償請求で解決することが大半ですが、悪質なケースでは刑事事件に発展し得ることは知っておくべきポイントです。
いつ・どうやって返すか
| タイミング | 方法 |
|---|---|
| 最終出社日に直接返す | 引き継ぎと同時に手渡しできるため最も確実。受領書や返却リストにサインをもらっておくと安心 |
| 退職後に郵送で返す | 有給消化などで最終出社日に出社しない場合に利用。着払いにできるか事前に総務・人事へ確認する |
郵送する場合は、紛失や破損を避けるため、PCなど精密機器は緩衝材で梱包し、追跡可能な配送方法(宅配便など)を選ぶと安心です。返却リスト(何を・いつ送ったか)を自分の控えとして残しておくと、後から「届いていない」と言われた際の証拠になります。
データが入ったPC・スマートフォンは、会社の指示に従って業務データを消去してから返却するのが基本です。個人のデータは事前にバックアップしておきましょう。退職の準備全体を進める場合は、「退職の引き継ぎ資料の作り方とテンプレ」とあわせて、貸与品の返却リストも同時に作っておくと二度手間になりません。
紛失・破損してしまった場合
制服や社員証を紛失した場合、就業規則に基づき実費相当額の弁償を求められることがあります。金額は会社ごとに異なるため、就業規則や貸与品受領書に記載がないか確認し、不明な場合は人事・総務に早めに相談するのが無難です。隠さずに早めに申告するほうが、後々のトラブルを避けやすくなります。
受け取ってもらえない・連絡が取れない場合
退職後に会社と連絡がつかず返却できない場合は、まず書面(簡易書留など記録が残る方法)で返却の意思と保管状況を伝え、受け取り方法の指示を求めます。それでも進展しない場合や、逆に一方的に高額な弁償を求められた場合は、最寄りの総合労働相談コーナーなど公的な窓口に相談できます。
まとめと次の一歩
- 貸与品は退職(契約終了)までに返すのが原則。民法593条の使用貸借の考え方にもとづく
- 正当な理由なく返却しない・処分すると横領罪(刑法252条・253条)に問われる可能性がある
- 直接返す・郵送で返すいずれの場合も、返却リストを自分の控えとして残しておく
引き継ぎ資料と合わせて準備を進めたい人は「退職の引き継ぎ資料の作り方とテンプレ」を、退職を切り出すタイミングから知りたい人は「退職の切り出し方とタイミング」をご覧ください。
FAQ
よくある質問
- 名刺はどこまで返す必要がありますか?
- 未使用分は原則として返却対象です。取引先に渡した名刺まで回収する必要はありませんが、手元に残っている名刺(使用済み・未使用問わず)は、個人情報・会社情報が含まれるため処分せず会社に返すのが安全です。
- 制服をクリーニングしてから返す必要がありますか?
- 会社や就業規則の定めによります。指定がなければ常識的な範囲で洗濯してから返すと丁寧ですが、クリーニングの義務まで一般的に求められるわけではありません。不明な場合は人事に確認してください。
- 私物と会社の貸与品が混ざって分からなくなった場合はどうすればいいですか?
- 入社時の貸与品受領書と照らし合わせるのが確実です。書類が見当たらない場合は、人事・総務に貸与品のリストを再発行してもらえないか相談しましょう。
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この記事を書いた人
ハタラキナオシ運営者
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして8年勤務。20代未経験層、介護・保育、建設・物流業界の転職支援を担当。退職・就職・学び直しの実務情報を、公的機関の一次情報にもとづき解説しています。
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